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暗号の秘密とウソ ネットワーク社会のデジタルセキュリティ

著者:ブルース・シュナイアー(Bruce Schneier)
邦題:Secrets & Lies


2001年10月2日に発行された本ですが、今読んでも納得できる内容になっています。コンピューターに関するセキュリティとは何かを改めて問うていますが、その内容は実際にどこのセキュリティソフトが優れているか、これをすれば安全だとか、そういったピンポイントな解決方法ではない事も、約8年経過した今読んでも納得できると思います。

暗号の秘密とウソ


561ページほどありますが、文字が大きいので初心者にもおすすめです(個人的には文字を小さくしてページ数を減らして欲しかった)。「利便性と安全性は反比例」「分散する事で守れる、しかし、決定は遅れ、無駄も多い」。これらの事は被害に遭う前から想定できますが、本書は「セキュリティ万能論」を捨てる事を訴えています。簡単に言ってしまえば、これをインストールすれば絶対に安心とか、この暗号通信なら絶対に安全であると言った、「絶対」は存在しない事が理解出来ると思います。

暗号、ファイヤーウォール、ハッカー(クラッカー)からの防御方法を、数学的に説明している本ではありません。これらの目には見えない、または、理解したがらない危険を、日常生活に例えて分かりやすく説明しています(つまい、実社会でも危険はいっぱい)。また、物語形式でもありません。読み返して学ぶよりも、1ページから順に読み進められるので、ネットワーク社会のデジタルセキュリティに興味がある方は、ぜひ読んで欲しいと思います。



個人的にはかなり疑り深い性格だと思っていましたが、この本を読むともっと疑り深くなるかも知れません。暗号と聞くと、頭に浮かぶのはシャーロック・ホームズの「踊る人形」、第二次世界大戦で使われたドイツの「エニグマ」。同時代に日本が使っていた「パープル暗号」など。残念ながら、シャーロック・ホームズは登場しませんが、第二次世界大戦で使われた暗号の話は登場します。

話はそれますが、第二次世界大戦の暗号合戦に興味があるならば、以下の2冊をおすすめします。「真珠湾の裏切り」は、チャーチルはいかにしてルーズヴェルトを第二次世界大戦に誘い込んだかを、公開された公文書(検閲あり)と、当時、暗号解読に携わった軍人の証言を元に追求していますが、これは隠謀説とも言われています。しかし、その当時、世界中で何が起こっていたかと言えば、「日・米・英 「諜報機関」の太平洋戦争」を読むのが良いでしょう(読む順番を間違えないで)。

故マイケル・ジャクソンさんの歌「They don’t care about us(ニュースで度々放送されたコンサートのリハーサルで歌っていた曲)」に「Bang bang, shock dead」とありますが(偶然ですがこの歌の歌詞にもルーズヴェルトは登場します)、戦争はバンバンやっているだけではなく、諜報、防諜の裏の戦争も平行して行われます。各国が自国以外に諜報部員と防諜部員を送り込み、各国は混乱しますが、外部への漏洩を防ぐためにチームを分散します。これにより、あるチームが捕まっても、他のチームの情報を漏洩する心配が低くなります(これは、暗号の秘密とウソに掲載されている内容です)。

その一方、「日・米・英 「諜報機関」の太平洋戦争」を読むと、分散されている事により派閥が生まれ、せっかく得た情報の価値を正しく見いだす事ができなくなります。まとめた方が良いのか、分散した方が良いのか、セキュリティ対策もこれに同じく難しいものです。こんな話は、このサイトらしくないので、異なる例え話をします。テレビは、テレビ放送を視聴する機器で、ビデオはテレビ放送を録画したり、市販のソフトを再生したりする機器です。この二つが合体していれば、別々に買う必要も無く、接続ケーブルも要らず、使い方も同じメーカーなので統一され、それは使いやすい事でしょう。しかし、どちらかが壊れると、両方の機能を失います。正確には、修理から戻る間だけ機能を失います。ビデオの方が壊れたとしても、テレビとして役には立ちます。しかし、テレビの方が壊れた場合、直さずにビデオデッキとして一体型を使うのは、設置スペースが非常に勿体ない。また、片方の機能だけ最新の機器にアップグレードすると、その機能が一体型機器の機能と重複してしまいます。もちろん、アップグレードするなら、デッキの方ですね(テレビが二台になってもねぇ・・)。最初から分散しておけば、壊れてもその機能だけを失い、買い替えに無駄は発生しません。

分散するとセキュリティが高まり(分散するだけでは駄目ですが)、まとめるとセキュリティは低くなる。同じプロバイダーに契約した者同士がネットワークを組んでいたのはパソコン通信の時代。プロバイダーが世界中につながったのがインターネット。つまり、インターネットはもの凄く大きなまとまったもので、セキュリティは低い事を知らされます。その他、ソフトウェア製造業者に関する疑問(なぜこんなバグだらけのソフトを販売して、彼らは責任を取らないの?)、パッチを提供すればセキュリティは高まる?オープンソースは危険で、クローズドソースは安全神話など、セキュリティに関して取り上げている内容は多数。意味不明な質問を投稿しないために、パソコン初心者にもおすすめの一冊です。

真珠湾の裏切り―チャーチルはいかにしてルーズヴェルトを第二次世界大戦に誘い込んだか

日・米・英「諜報機関」の太平洋戦争





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