シャーロック・ホームズ

SHERLOCK HOLMES in MB-Support
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ミセスハドソンの日記

プライオリ・スクール / 第二の汚点



シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.8

英国グラナダTV製作 テレビシリーズ
第15話 プライオリ・スクール
洋題:The Priory School
第16話 第二の血痕(第二の汚点)
洋題:The Second Stain



第15話

邦題:プライオリ・スクール
洋題:The Priory School

DVD収録邦題:シャーロックホームズの帰還
DVD収録洋題:THE RETURN OF SHERLOCK HOLMES
テレビシリーズ:3
放送/英国:1986年7月16日
書籍収録邦題:シャーロックホームズの帰還
書籍収録洋題:THE RETURN OF SHERLOCK HOLMES



キャスト
Sherlock Holme:Jeremy Brett
シャーロック・ホームズ(探偵):ジェレミー・ブレット
Doctor Watson:Edward Hardwicke
ドクター・ワトソン(相棒):エドワード・ハードウィック
Mrs Hudson:Rosalie Willians
ミセスハドソン(221Bの管理人):ロザリー・ウイリアムズ

Doctor Huxtable:Christopher Benjamin
ハクスタブル博士(プライオリ・スクール校長):クリストファー・ベンジャミン
Duke of Holdernesse:Colin Jeavons
ホールダネス(ホウルダネス)公爵:アラン・ハワード
James Wilder:Nicholas Gecks
ジェームズ・ワイルダー(公爵の秘書であり・・):ニコラス・ゲクス
Reuben Hayes:Jack Carr
ルーベン・ヘイズ(宿屋の亭主):ジャック・カー



前閣僚ホウルガネス公爵(旧華族制度で、爵位の一つ。五等爵の第一位。)の一人息子が誘拐された事件。 移動は「自転車」と「馬」を利用。事件の謎を解くのに没頭しているホームズとは打って変わり、食事がしたいとホームズに言い寄るワトソンとのやり取りも面白い。 しかし、これが事件解決へと導くことに。報酬として得る金額も、最後に倍に跳ね上がります。



さて、シャーロック・ホームズの物語で、自転車が登場する事はありますが、痕跡として重要になるのは異例。 土に残ったタイヤの痕跡から、ダンロップ、パーマなどを見分けます。そして、馬が登場しますが、馬が走った痕跡は、ある事をすると違う動物が走った痕跡となります。



犯人の目処は、バスカヴィル家の犬と似た発見をします。そして、定番のお金の計算です。 この事件は行方不明の息子を捜すために、公爵から解決した者へ5000ポンドのお礼が、犯人を捕まえた者にはさらに1000ポンドの報酬があります。 つまり、ホームズが事件を解決すれば、6000ポンドの報酬を得ることができます。 価値は、いつも通り現在の貨幣価値に置き換えるのは難しいのですが、おおよそ1億5千万円〜3億でしょうか(もちろん、正しいと言い切れません)。ホームズ物語に登場する貨幣から考えると、紳士の年収が700ポンド。家庭教師の年収が50ポンド〜100ポンド(「美しき自転車乗り」「ぶな屋敷の怪事件」)。 「まだらの紐」でロイロット教授の年収は1000ポンド。一生遊んで暮らせる額ではありませんが、とりあえず凄い額の報酬をホームズが手にします。

そして、最終的にはホールダネス公爵から感謝の気持ちとして、倍の1万2千ポンドに報酬が跳ね上がります。 当時の税制がどうなっていたか不明ですが、半分国に納めたとしても、事件解決1件で1億5千万円〜3億円となっています。



日本語字幕版DVDは、「シャーロック・ホームズの冒険 第8巻」になり、「第二の汚点」と2作収録されて販売されています。 小説ではモリアーティ教授と決闘後の「Return of Sherlock Holmes シャーロックホームズの生還(帰還)」に収録されています。



第16話

邦題:第二の血痕(第二の汚点))
洋題:The Second Stain

DVD収録邦題:シャーロックホームズの帰還
DVD収録洋題:THE RETURN OF SHERLOCK HOLMES
テレビシリーズ:3
放送/英国:1986年7月23日
書籍収録邦題:シャーロックホームズの帰還
書籍収録洋題:THE RETURN OF SHERLOCK HOLMES



キャスト
Sherlock Holme:Jeremy Brett
シャーロック・ホームズ(探偵):ジェレミー・ブレット
Doctor Watson:Edward Hardwicke
ドクター・ワトソン(相棒):エドワード・ハードウィック
Mrs Hudson:Rosalie Willians
ミセスハドソン(221Bの管理人):ロザリー・ウイリアムズ
Inspector Lestrade:Colin Jeavons
レストレード警部:コリン・ジェボンズ

Lady Hilda Trelawney:Patricia Hodge
レディー・ヒルダー(ホープの妻):パトリシア・ホッジ
Rt. Honourabke Trelawney Hope:Stuart Wilson
トレローニ・ホープ(官僚):スチュアート・ウィルスン
Lord Bellinger:Harry Andrews
ベンジャミン卿(首相):ハリー・アンドリュース

Eduardo Lucas:Yves Beneyton
エドアルド・ルーカス(語学者):イブ・ベニィトン



「第二の汚点」、または、「第二の血痕」と訳されている場合もありますが、この物語の事件解決の鍵が二つの血痕で、その事から解決へと導き出されるので汚点でもあります。事件が解決できなければ英国が戦争になりかねない重大な国家事件の謎に挑みます。ここで、重要人物となるのは、テロリストでも犯罪者でもありません。 ヨーロッパ省大臣トリローニ・ホームプ氏(Stuart Wilson)の妻ヒルダー(Patricia Hodge)、つまり身内です。ホームズが女性の思い立った行動についての意見も重要。



依頼人が機密に触れる内容を隠す事で、ホームズを怒らせます(これは真実を言わせるためのホームズの策略でもあり、今回はうまくいきますが、違う物語では失敗します)。ホームズ曰く、事件の両端に謎がある場合、まず依頼人の謎を解かなければならないため、解決が難しい。これが、依頼人の無意識の嘘による場合もあり、それが機密で明らかに隠すのであれば、依頼を断ります。この物語では、事件解決を優先するために、ホームズに全てを明かして依頼を引き受けます。



戦争に発展する恐れがある事件の発端は、非常に虚しい事実があります。警部はもちろん、レストレードが。景色にはビッグベンも登場します。ほとんどの時間、新聞を頼りにする事件なので、ホームズ物語としては異例かも知れません。221Bの部屋にある円形テーブル上での一幕は笑えます。暖炉にマッチを捨てるシーンはありますが、部屋の中のどこにでもマッチを捨てるのであろうか?



レストレード警部とのやりとりは面白いのですが、ある意味、レストレード警部がホームズに答えを教えた様なものになります。もちろん、レストレード警部自身は答えまでたどり着けませんが。夫に打ち明けられない秘密を持つ妻が事件を誘発する物語は他にもあります。「踊る人形」では、妻が夫に打ち明ける事で事件を防ぐ事が可能でした。「犯人は二人」では、夫となる人物に打ち明ける事で、恐喝者を法的に捕らえる事が可能であったものの、貴族ゆえに評判を落とす行為は避けねばなりません。今回の妻ヒルダーが取った行動は、揺すられる内容は幼稚であるものの、立場を維持するためには夫に隠す必要があります。しかし、その行為により、英国を戦争に導く可能性があるので、かなりの罪かと思われます。それでも隠し通さねばならない理由とは?もちろん、こんな事になるなんて思っていない行動です。



本当の意味で犯人となる人物は、早い時点でいなくなります。これが、ホームズが言った「手から手へ渡り、必要な人物の元へ」とは異なり、必要としない人、そして、安全な人へと渡ります。これにより、この事件は当てのはずれた謎を追う事になり、全てを把握する国家、国家機密と新聞に掲載される事件を把握するホームズ、新聞に掲載される事件だけを把握するレストレード警部(彼の発言が新聞となる)の3つのグループが存在します。一見レストレード警部が一番解決への道が遠いと感じますが、もともと事件は当初の陰謀から外れるため、レストレード警部が最も有力な情報を握ります。



ホームズの解決方法ですが、この物語では犯罪者以外は傷つかない方法で解決されます。もちろん、夫を欺いた妻に対しては、その痛みを追った事が罰となるかも知れません。法的にはどうなるか不明ですが、ホームズは幾度か犯罪者に同情して見逃す行動をとります。ワトソンとしては、秩序を乱す事につながり(ホームズが全て正しいとしたのでは、秩序を乱すからです)、決して賛成はしないものの、ホームズに寄り添う形で乗り越えていきます。



今回も、誰も傷つく必要が無く、国家が危険にさらされていないと判断した結果、その経過の過ちには触れず、上手く事件解決へと導きます。ただし、ワトソンがこの物語を発表した時点で、世間に公表となるので難しいところ。永久に葬りさるべき事件ですが、それだと私たちに物語が伝わらない矛盾が生じます。物語の公開は、「ある秋の火曜日の朝」となっており、実際に年代を公表しないことから、昔の事件をワトソンが思い起こして公開している事になります。



日本語字幕版DVDは、「シャーロック・ホームズの冒険 第8巻」になり、「プライオリ・スクール」と2作収録されて販売されています。 小説ではモリアーティ教授と決闘後の「Return of Sherlock Holmes シャーロックホームズの生還(帰還)」に収録されています。