シャーロック・ホームズ

SHERLOCK HOLMES in MB-Support
 サイト内の検索

ベイカー街 221B の間取り
グラナダ・テレビ制作『シャーロック・ホームズの冒険』

Granada Television Sherlock Holmes 1984 TV series
Baker Street 221B Setting of a movie

マンチェスターのグラナダスタジオの倉庫に造られた、『221B』の室内セットの間取り、建具、家具、小物などを、Blu-Ray を参考に管理人が調べた名称や用途を列挙します。

[ページ数: 10 / 10] 戻る TOP 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10


Chapter 10:3階 ワトスンの寝室と浴室

221B 間取り 俯瞰図
図6

このページは、2015年4月11日に公開した『ベイカー街 221Bの間取り- グラナダ・テレビ制作 シャーロック・ホームズの冒険』のおまけとして作成しました。221Bの平面図は、2010年7月4日に公開しましたが、当サイトでお世話になっている多摩ジイ様からのご指摘で、誤りを修正すべく、新しいページの製作が始まりました。セットの建具、家具、小物などを調べ、図を作成するのに4ヶ月を費やしました。二次元の平面図では表現に限界を感じ、俯瞰図に変更して全てのアイテムを追加した『221B 2階の間取り図(図6)』が完成しました。

そして 2015年11月、コメント欄で『犯人は二人(The Master Blackmailer)』のバスルームが話題になり、多摩ジイ様から3階の間取りに関する問題提起がありました。これまで、私は3階の間取りを調べる事を、あえて避けて来ました。2階のセットは居間から、ホームズの寝室、廊下、階段を観察でき、家具はともかく間取りを把握するのは容易でした。しかし、3階は主となる部屋(2階なら居間)を特定できず、ワトスンの寝室、バスルーム、さらにはドレッサーがある部屋の動線を確認できません。

例えば、多くの家具は劇中で表面が見えても、役者が持ち上げたり配置が変更されない限り反対側を確認できません。つまり、50%は想像に頼ることになりますが、アンティーク家具の類似品を探すことで、限りなく100%に近い答えを探せます。しかし、間取りは目で確認するしかなく、100%不明な部分を100%想像する事が、楽しいのか虚しいのか分からない状況に陥りました(笑)。それもそのはず、片方に謎があるのには慣れていますが、両方にあるのは面倒すぎます(ILLU)。

このページでは、劇中で確認できる情報を元に作成した平面図と、多くの部分を想像に頼った俯瞰図を掲載いたします。私の3階の間取り図は完成しておらず、掲載する内容は間違っているかも知れません。コメントを頂ければ、Blu-Ray を参考に、確認、修正、または追記いたします。なお、間取りや家具に関する多くの問題提起をしていただいた、グラナディアンの多摩ジイ様に感謝いたします。

メニュー

Chapter 10:3階 ワトスンの寝室と浴室

  T.階段の欄干、腰壁、壁の話(全て想像)

  U.3階の基本情報

  V.ワトスンの寝室

    A:まだらの紐

    B:入院患者

    C:修道院屋敷

      謎の『ドアB』を掘り下げる・・・

    D:その他

    E:ワトスンの寝室 平面図

    F:ワトスンの寝室の場所

  W.バスルーム

  X.ワトスンの寝室とバスルーム

    - Plan 1 -

    - Plan 2 -

  Y.ワトスンのドレッサー

  Z.終わりに・・・


T.階段の欄干、腰壁、壁の話(全て想像)

ワトスンの寝室やバスルームの間取りを調べる前に、階段の欄干、腰壁、壁がどうなっているのか考えてみましょう。グラナダ・テレビで主に使われるセットは、物語上の2階です。日本での1階をイギリスではGF(Ground Floor)、2階を1F(First Floor)、3階を2F(Second Floor)と呼ぶそうですが(*74)、このページでは日本の数え方に倣います。2階の階段は13段で、ホームズが『這う人(The Creeping Man)』で途中まで上りますが、3階に上りきるシーンはありません。2階で注目すべき柱は、階段の2段目にある『柱あ(図17)』と、ホームズの寝室側にある『柱い(図17)』です。『柱い』は、ホームズの寝室と居間を区切る壁が、廊下に突き出た状態です。この階段は螺旋階段のように、3階から1階までを見下ろすことはできません。この2本の柱より手前(2階の居間側)の天井は、3階の床として塞がれています。

2階の階段の『柱あ』と『柱い』 2階の階段の『柱あ』と『柱い』 3階の床 透明
図17 図18

図18は、3階の天井の一部を透明にして、3階に於ける2階の『柱あ』『柱い』の重要性を強調しています。ちなみに、1階の階段は12段で、5段目に柱があります。1階から2階に上がるシーンは、第5シーズンの『犯人は二人』と『未婚の貴族(The Eligible Bachelor)』で確認できますが、高さに矛盾があります(12段では2階の床の高さに達しません)。2階の階段は、上部が見える物語もありますが、そもそも3階が作られていないので(セットなので221Bの居間は2階でもありません)、深追いするのはやめましょう。

3階の欄干 3階の壁
図19 図20

3階には、落下防止の欄干が設置されている可能性があります。そうであるならば、階段付近にドアがあり、なおかつドアが開いている場合、中から欄干が見える可能性があります(図19)。

しかし、3階と思われる映像(部屋以外)に、欄干、腰壁が映る場面はありません。とすると、階段付近に部屋が無いか、欄干ではなく、壁になっている可能性があります(図20)。この場合、室内から開かれたドアの先を見ただけでは、階段付近か否かを判断できません(図20)。もちろん、ドアから見える壁の奥行きを考えると、部屋か廊下の区別は可能と思われます。

まとめると、部屋からドアの先にヒントを得る場合、欄干の方が確認が容易です。煙突にアクセスするために、屋上への階段があるならば、なお確認するのが容易と思われます。もし、壁で塞がれていた場合、部屋の場所を絞り込むのは困難です。


U.3階の基本情報

2階の間取りから3階の輪郭を想像するのは容易です。さらに『美しき自転車乗り(The Solitary Cyclist)』で、お店(116)の角から221B側を仰角で撮影しているため、221Bの外壁と屋上の煙突を確認できます。3階のベイカー街側には、2階の居間と同じく窓が3つあります。221B両隣の建物は、219 W.H.DAWE(本屋)、223の民家で、いずれも3階建てのため両隣に窓が無いことも分かります。ベイカー街のセットに造られていなと思われますが、221Bの裏側に窓がいくつあるのかは不明です。図21は、2階の部屋割り(黒線)を残してあり、3階の間取りを想像するのに役立つかも知れませんが、固定観念が邪魔になるかも知れません。

3階の基本情報と左右の建物事情
図21

そして、2階と同じ位置に窓を設置したのが図22です。さらに、2階の部屋割りを削除したのが図23です。内側の黒線を消すと、建物の裏に窓が3つあると仮定しても問題ありませんね。このページでは、図23の空白を使って、ワトスンの寝室やバスルームの場所を探します。

3階の基本情報 2階の仕切り線 3階の基本情報 仕切り線無し
図22 図23

V.ワトスンの寝室

221Bの2階には、廊下、居間、ホームズの寝室の3つの空間がありました。では、ワトスンは何処で眠っているでしょうか?答えは3階です。『ボヘミアの醜聞(A Scandal in Bohemia)』で居間を追い出されたワトスンは、3階に向かいます。『踊る人形(The Dancing Men)』で夜明けに電報を受け取ったホームズの元に、ワトスンが「何事だ?」と言って3階から下りて来る場面があります。

全41話中、ワトスンの寝室を確認できるのは、『まだらの紐(The Speckled Band)』『入院患者(The Resident Patient)』『修道院屋敷(The Abbey Grange)』の3話だけです(たぶん・・・)。それでは、ワトスンの寝室に関する情報を集めましょう。

A:まだらの紐

まだらの紐 ワトスンの寝室 平面図
図24
サイドテーブル side table
図25

『まだらの紐』には、ワトスンがホームズに起こされる場面があります。ホームズの背後には、寝室の角が見えます(図24の『壁B』と『壁C』の角)。さらに、ワトスンのベッドと時計が置かれたサイドテーブル(図25)を確認できます。ホームズに起こされたワトスンの目線を確認すると、ホームズが立っている場所が分かります。ホームズを撮影するカメラの向きは図24の青矢印で、寝ているワトスンを撮影するカメラの向きは赤矢印です。この部屋は明るいので窓があると思われますが、それを確認できません。しかし、ホームズの背後の壁に鏡が掛けられており、窓が映り込んでいるのを確認できます。

カメラの角度が正確に分からないため、入射光と反射光から図24の『壁C』に窓があるのか、『壁D』に窓があるのか、私には判断できません。実は、このページを作成するまで、私は図24の『壁D』に窓があると思い続けていました。下書きを終えた後、『壁C』に窓があると考え直しました(全部やり直しだよ・・・)。そして、窓の数も分かりません(ここ重要)。その後、ヘレン・ストーナー(Helen Stoner)とホームズが待つ2階の居間に移り、『まだらの紐』から得られる情報は以上です。青と赤の矢印から延びる青い三角形の範囲以外は、死角なので自由に想像すれば良いでしょう。

B:入院患者

『入院患者』では、ブレシントン(Blessington)邸から帰ったホームズとワトスンが、2階の廊下で少し話した後、ホームズは2階の寝室へ、ワトスンは3階に向かいます。翌日、電報を受け取ったホームズが、ワトスンを起こす場面から図26を作成しました。

入院患者 ワトスンの寝室 平面図
図26

カメラは、Yacht Model(Chapter 7:シャーロック・ホームズの寝室 -『82』:帆船模型)の手前(図26『壁D』)から赤い矢印の方向を撮影しています。帆船模型の船首から船尾を丁寧に映しますが、場面が切り替わらないため、図26の『壁D』側から『壁B』側を確認するだけになります。とは言え、今回は寝室のドアを『壁B』に確認でき、内側に開けられているため、その先の『壁E』も確認できました。『壁E』には絵が飾られており、階段の欄干は見えません。この『壁E』は、部屋と呼べるほど奥行きが無く、1階と2階の廊下と同じ壁紙が使われています。また、ベッドの隣に燭台が置かれた何かを確認できました(『壁A側』)。光は『壁C』側から射しており、『まだらの紐』の情報を重ねると『壁C(図26)』に『窓B(図24)』があるのかも知れません(『A:まだらの紐』図24を参照)。また、廊下にも同じ方向から光りが射しており、窓があると考えられます。

C:修道院屋敷

ワトスンを演じる俳優がエドワード・ハードウィック(Edward Hardwicke)に交代した第3 シーズン、最初の撮影となったのが『修道院屋敷』です。開いたドアの先の絵に変更はありませんが、ベッドの頭上、図23の『壁A』に『ドアB』があります。『まだらの紐』では『壁A』を確認できませんが、『入院患者』では『ドアB』が存在しない事を確認できます(ここ重要)。また、月明かりが『壁C』の方から射し、『入院患者』の条件と一致します。なお、廊下の光は暖色で、月の光ではありません(まぁ、屋内セットなので、照明の光ですけどね・・・)。

修道院屋敷 ワトスンの寝室 平面図
図27
221A 1階のドア
図28

ドアの前にベッドを置いて通れなくする理由が分かりませんが、『ボヘミアの醜聞』でワトスンが旅行から戻ったとき、1階のドアの前にホールスタンド(Hallstand:ステッキと傘置き ・帽子掛けと鏡が付いた家具 *75)が置かれています(図28)。なので、ドアを潰してベッドを置く可能性も十分にあります。ちなみに、『犯人は二人』ではホールスタンドとチェストの位置が逆になり、221Aに通じるドアが開かれています。

どうしても理解できなければ、スタッフのミスだったと片付けられますが、廊下に飾られた絵を統一したスタッフが、そんなミスをするとは考えられません。このドアには、裏の物語があるのかも知れません。矛盾を解消するには、ワトスンの寝室の場所に変更があったと考えるのが自然です。新しくドアを作り、その前にベッドを置いて通れなくする・・・そんなはずは無いでしょう。

謎の『ドアB』を掘り下げる・・・

221B ワトソンのパイプスタンド
図29

第1シーズンの『まだらの紐』、第2シーズンの『入院患者』と物語が進み、第3シーズン『修道院屋敷』までの期間に何があったのか? ヒントは第2シーズン『最後の事件(The Final Problem)』から第3シーズン『空き家の怪事件(The Empty House)』までの、空白の3年間にあります。グラナダ・テレビ版では、ワトスンとホームズの同居期間が原作とは異なります。私は、グラナダ・テレビ版のその期間を探究したことはありませんが、暖炉の上の Pipe Stand(Chapter 6:マントルピース周り -『68』:パイプ スタンド ワトスン用) の有無で判断できる物語もあります(図29)。まぁ、ほとんどの物語で確認できますが、『這う人』には存在しません。


221B ワトスンの寝室の場所が変更された場合の図
図30

1.部屋が移動されたと考えるならば、ワトスンが221Bを去った『最後の事件』の後、ハドスン夫人が寝室を他の目的に使っていたと仮定します。そして、『空き家の怪事件』でホームズとワトスンが戻ったとき、空室をワトスンの寝室として代替したと考えられます(図30)。ハドスン夫人はホームズが不在の期間も、マイクロフト(ホームズの兄)から家賃収入を得ていました。ゆえに、2階の居間とホームズの寝室は、第2シーズンの状態を維持していました(資料保全)。しかし、存命不定ならまだしも、開業医のワトスンの家賃までマイクロフトが支払うとは思えませんし、それを甘受するワトスンとも思えません。なので、ハドスン夫人が3階の寝室を何かに使ってしまったというわけです。


221B ワトスンの寝室 ベッドの頭上のドアの変遷
図31

2.部屋を移動せず、単純にドアが追加された可能性もあります。その理由は、やはり空白の3年間に、ワトスンが寝室として使っていた部屋を、ハドスン夫人がリフォームして他の目的に使ったと仮定します。リフォームの際、ドアを追加して隣の部屋、あるいは廊下へのアクセスを可能にしました。しかし、『空き家の怪事件』でホームズとワトスンが戻ったため、リフォームした部屋を再びワトスンの寝室として使うべく、家具を元の位置に戻しました(図31)。こう考えると、『修道院屋敷』でドアの前にベッドが置かれていても、納得できますよね。えっ?もちろん、全て私の想像ですよ・・・


3.あえて物語に入り込むのを止め、2つのドアの位置から、ホームズの寝室(2階)のセットを流用しているのかも知れません(図34と図35)。

D:その他

ワトスンの足を擽って起こすシーンもありますが、それは『もう一つの顔(The Man with the Twisted Lip)』のネビル・セントクレア(Neville St. Clair)邸での出来事です。『まだらの紐』『入院患者』『修道院屋敷』以外にも寝室を確認できるかも知れませんが、私の記憶にあるのは3つの物語です。コメントを頂ければ、指摘を元にBlu-Rayを確認して追記いたします。

E:ワトスンの寝室 平面図

3つの物語の情報を合わせて、図32の平面図が完成しました(*76)。光が射し込む方向から、『壁C』に『窓B』があると判断(『壁B』の鏡に映り込む)、そして『窓A』を無視しました。『壁A』の『ドアB』も無視できますが、これは先に書いたように、適当な解釈が見つかったので、条件に含めることにしました。

ワトスンの寝室 平面図
図32

F:ワトスンの寝室の場所

この条件が合う場所を図23から探したところ、以下の『寝室A』と『寝室B』の2か所を見つけました(図33)。ベイカー街側の『寝室A』には窓が2つあります。鏡の反射で確認できたのは1つだけですが、1つだけとは限らないので、この間取りを考えられました。『寝室A』では閉ざされたドアを省略しましたが(家具が見えなくなるので)、追加しても矛盾は生じません。

ワトスンの寝室の場所
図33

『寝室B』は、ホームズの寝室の真上になります。ホームズとワトスンが家賃を折半するわけですから(最初はね・・・)、寝室の大きさが同じと考えるのは自然です。ワトスンの寝室にある2つのドアは(図34)、ホームズの寝室のドアの位置と似ています(図35)。このことから、『修道院屋敷』でホームズの寝室を流用したのかも知れません(この説は、” 謎の『ドアB』を掘り下げる・・・ ”で取り上げました)。いずれの場合も、ドアを出た場所に窓があり、日の光、あるいは、月の光が射し込む条件を満たしています。ちなみに、図34の閉ざされたドアの上部は、画面に映らないため、ステンドグラスの有無を確認できません。

3階 ホームズの寝室の真上 2階 ホームズの寝室
図34 図35

当初は帆船模型側に窓があると仮定したため、3つのプランがありました(図36と図37)。それは、映像から光が射し込む方向を、正しく観察できなかったのが原因です。

当初のホームズの寝室 プランA 当初のホームズの寝室 プランBとC
図36 図37

W.バスルーム

Canopy Shower Bath キャノピー シャワー バス
図38

劇中でお風呂を確認できるのは『青い紅玉(The Blue Carbuncle)』『高名の依頼人(The Illustrious Client)』『犯人は二人』です。221Bのバスルームを確認できるのは『犯人は二人』だけで、バスタブにシャワー装置が付いたCanopy Shower Bath(キャノピー シャワー バス)と呼ばれるヴィクトリア朝のバスタブが使われています(図38 - *77)。私は猫脚バスタブの存在は知っていましたが、シャワーが合体したバスタブを知らなかったので、映像からそれを認識するまでに時間を要しました。最初は画面右端にセットの裏が映っていると思いましたが、お湯が飛び散らないようにカードするShower Wallの裏でした(劇中では上部のシャワー部分は見えません)。類似品のサイズは幅188 〜 220cm × 奥行 87cm × 高さ 193 〜 245cmです。『Canopy Shower Bath』で検索すると、海外のアンティークショップで類似品が見つかります。

日本の風呂事情とは異なり、絨毯の上にバスタブがあります。当時は入浴剤のバブルバスに勢いよくお湯を注ぎ、泡立たせ、湯船の中で体を洗います。泡風呂にゆっくり浸かり、泡の付いたままバスローブを巻いて入浴を終えます(*56)。ごしごしボディタオルで体を洗うわけでも、体を流すわけでもないので、絨毯にお湯が飛び散りません。

『犯人は二人』では、ホームズがバスタブに浸かり、石鹸で体を洗っています(ボディタオルは使っていない)。キャノピー シャワー バスなので、最後は湯船に足が浸かったまま、体に付いた泡をシャワーで洗い流せます(そのシーンは無い)。WEBサイトでアンティークのキャノピー シャワー バスを探したところ、1890年代の商品も見つかりました。原作『恐喝王ミルヴァートン』の時代設定は1899年1月5日〜14日となっているため(*74)、時代考証を元にキャノピー シャワー バスが選択されたのでしょう。

キャノピー シャワー バスには、お湯と水を切り替えるハンドルが付いており、当初考えていたよりもヴィクトリア朝の風呂事情が進化していると判断しました(221Bはロンドンの都会)。メイドがお湯を沸かし、浴槽に湯を満たす重労働を考慮する必要が無くなりました。2階のホームズの寝室では、Wash Stand(Chapter 7:シャーロック・ホームズの寝室 -『77』:洗面台)にJug and Bowl(Chapter 7:シャーロック・ホームズの寝室 -『78』:水入れと器) を使っていたので、221Bの水道設備は古いものだと考えていました。


バスルーム 平面図
図39
シャワー ハンドルの説明:Canopy Shower Bath キャノピー シャワー バス
図40

『犯人は二人』の入浴シーンを参考に平面図を作成しました(図39)。キャノピー シャワー バスは斜めに設置され、背後に窓が1つ見えます。ワトスンが行き来する映像がありますが、この場面はバスルームからドアの外を撮影しています。その根拠は、手前にキャノピー シャワー バスの切り替えハンドルが映るからです(図40)。最初は窓際からネクタイを締めつつドアを横切り(図39の@)、次にジャケットを羽織りながら戻ります(図39のA)。ワトスンの奥には、縦に線が入った何かを確認できます。Blu-Rayの画面をデジカメで撮影した後、PCに取り込みコントラストを変更して調べました。しかし、縦線がドアなのか、曲がり角の突き当りなのか、間仕切りカーテンが中途半端に開いているのか(亀裂みたいなものが少し動く)、あるいは、陰なのか、写真からは判断できませんでした。私の固定観念が邪魔して、縦線を上手く解釈できません。間仕切りカーテンが思い浮かんだ理由は、100ポンドで競り落としたアテナの胸像を、居間の暖炉の前で壊した際、ハドスン夫人が一階で天井を見上げます(『犯人は二人』)。このとき、階段の手前に間仕切りカーテンを確認できました。こんな感じのカーテンが、バスルームのドアを開けた場所にあるのかも知れません。

図39の『壁A』に1つだけ窓が見えますが、『壁A』と『壁B』の角が見えません。さらに画面右端は、高さ 193 〜 245cmほどあるShower Wallに隠れ、天井が見えません。つまり、その背後にもう1つ窓があっても確認できませんし、『壁B』と同じく『壁C』も確認できません。

間取り 浴室a 俯瞰図
図41

おそらく、このセットには『壁B』と『壁C』は存在していないのだと思われます(撮影の都合上)。つまり、この部屋を広げるのも縮めるのも、視聴者の想像次第です。例えば、『壁C』にドアがある可能性もあります。

平面図を参考にすると、ベイカー街側の『浴室a』が当てはまります(図41)。『壁A』の『窓A』から、『壁A』と『壁D』の角までの距離、角からドアまでの距離を考慮した結果、図41の非常に狭い浴室が完成しました。もちろん、『壁D』を延長して、『壁C』を広げて縦長の部屋にしても良いでしょう(劇中で死角の部分)。青矢印の@とAは、劇中のワトスンの足取りを示しています。

間取り 浴室b 俯瞰図
図42

ベイカー街側の『浴室a』の『壁C』を延長して、『壁D』を手前に移動したのが『浴室b』です(図42)。『壁D』にはドアがあるので、これ以上は『壁E』側に移動できませが、『浴室a』より広くなり、窓が2つになりました(『窓A』と『窓B』)。ベイカー街側の窓の位置は、劇中で判明しているので変更できません。浴室の横幅を広げる場合は(図41から)、窓の問題を解決する必要があります。劇中では『窓B』だけが見え、『窓A』はキャノピー シャワー バスの後ろに隠れていたと仮定すれば、『浴室b』の間取りも通用します。赤矢印はカメラが撮影した方向です。

いずれにしても、室外にいるワトスンと会話をするために、ホームズは浴室のドアを開けたまま入浴しています。浴室のドアは、窓際に近いことを劇中で確認でき、そのドアをネクタイを締めながら横切り(図41と図42の青矢印@)、ジャケットを羽織りながら再び窓際に向かいます(図41と図42の青矢印A)、その後、ワトスンは2階の居間に移動して、金色の самовар(Chapter 9:その他 -『90』:サモワール) でお湯を沸かします。この『浴室a』と『浴室b』の場所だと、ワトスンの行動に違和感があります。そもそもワトスンが歩いている場所は廊下なのか?脱衣所みたいな場所であろうか? 浴室のドアには入浴中のホームズの衣類が掛けられており、あの浴室は脱衣所も兼ねていると思われます。

間取り 浴室c 俯瞰図
図43

『浴室a』の対角線上、2階のホームズの寝室の真上が『浴室c』になります(図43)。『浴室a』よりも広く、200cm以上のバスタブの他に、ワードローブやドレッサーなどを置く空間があります。窓の数は劇中と一致しますが、『角A』から窓、さらに『角A』からドアまでの距離に違和感が残ります。図43は『角A』からドアまでの距離を1mに設定しましたが(『壁D』)、劇中では限りなく『角A』に近い場所にドアがあります。

2階 ホームズの寝室 斜めの壁
図44

しかし、『浴室c』はワトスンの行動に説明が付きます。ネクタイを締めながら青矢印@(図43)の方向へ歩くのは、寝室に向かうためと仮定します。クローゼット(寝室)からジャケットを取り、それを羽織りながら2階に向かいます(青矢印A:図43)。なお、浴室のドアから見える縦線は、階段部分の何かと仮定します(ここ適当です)。

『浴室c』の真下に位置するホームズの寝室には、不自然な斜めの壁が存在します(図44)。その壁は、『空き家の怪事件』でハドスン夫人を抱きしめるホームズのシーンで確認できます。ここに、配管が埋め込まれていると考えると、その上にバスルームがあるのは自然です。

バスルームが地下1階にある場合
図45

221の裏や1階のセットで階下に行ける階段を確認できないため、地下の有無は不明です。もし『ブルース・パーティントン設計書(The Bruce-Partington Plans)』で、ホームズとワトスンが押し入ったコールフィールドガーデン13番(オーバーシュタイン:Oberstein)のような地下への階段が外にある建物なら、窓から太陽光が入る条件を満たした部屋を地下に仮定しても無理はありません(図45)。『空き家の怪事件』で、地下からカムデン・ハウス(Camden House)に侵入しました(モラン大佐を待ち伏せ)。221が向かいの建物と同じ構造であるならば、バスルームが地下があると仮定しても面白いでしょう。

バスルームが地下1階にある場合
図46

カーテンのときに説明しましたが、『犯人は二人』で100ポンドで競り落としたアテナの胸像を、居間の暖炉の前で壊した際、ハドスン夫人が一階で天井を見上げます。この場面で、1階の奥のドアが開かれているのを確認できました。奥の壁に窓はありませんが、2階への階段の真下に地下への階段があると考えても良いでしょう(図46の赤矢印)。私は長い間、1階の奥にドアがあることに気付きませんでした。『四人の署名』で、ベイカー街イレギュラーズが勢い良く飛び出した際、呆れ果てるハドスン夫人の奥に、そのドアを見たのが初めてです。その後、ドアの奥は納戸かトイレだと予想していました。


X.ワトスンの寝室とバスルーム

ワトスンの寝室とバスルームの情報から、3階の間取りを想像します。

- Plan 1 -

『寝室B』と『浴室b』を組み合わせた『プラン1』が図47です。浴室を変更するのは大変なので、『修道院屋敷』で確認できる寝室の開かずのドアは、空白の3年間に取り付けられたと仮定します。さらに、『浴室b』の『窓A』は、キャノピー シャワー バスに隠れて見えないと仮定します。光が漏れない理由は、カーテンが閉まっていたと考えれば良いでしょう(無理があるかな・・・)。

3階の間取り 俯瞰図 プラン1
図47

- Plan 2 -

図47の寝室と浴室を逆にしたのが図48です。ベッドの頭上のドアが無いので、『まだらの紐』や『入院患者』のワトスンの寝室ですが、『修道院屋敷』のドアを追加しても成立する間取りです。寝室に窓が1つあることは、『まだらの紐』の鏡の映り込みで確認できますが、2つ目の有無は不明です。バスルームは、ワトスンの行動に説明が付く、階段付近に設置しました(『浴室c』)。

3階の間取り 俯瞰図 プラン2
図48
バスルームが地下1階にある場合
図49

ワトスンの寝室、浴室、共に、劇中では確認できない死角が存在します(図49の赤い部分)。ここに、ワードローブやドレッサーがあると仮定しても面白いでしょう。 寝室とバスルームの共通項は、劇中で窓が一つあると判明していることです。ゆえに、どちらの部屋にも都合が良いのは、ホームズの寝室の真上です(図49では『浴室c』がその場所です)。しかし、壁からドアまでの距離に違和感があるため、『プラン1』が妥当なのかも知れません(図47)。ホームズとワトスンの寝室の大きさを同じにして、共有スペースであるバスルームを広くしました。

まずは、ここまで場所を絞り込めてホッとしております。そして、独りよがりの妄想を読んでいただき、ありがとうございます。それでは、最後の問題(The Final Problem)に取り組みましょう。


Y.ワトスンのドレッサー

ワトスンのドレッサー
図50

『犯人は二人』には、バスルームの他、初めて登場するドレッサーがあります。ミルヴァートン邸を偵察した後、221Bに戻ったホームズとワトスン。画廊の招待状を入手していないと心配するワトスンが、鏡に向かって白い蝶ネクタイを締めています。このドレッサーの全体を確認できないため、下部はホームズの寝室にある Scottish Chest(Chapter 7:シャーロック・ホームズの寝室 -『81』:スコテッシュ チェスト) を代用して再現したのが図50です。おそらく、鏡の部分を持ち上げて移動できます。

ワトスンは直立の姿勢で鏡に向かっているため、ホームズの寝室にある Duchess Dressing Table(Chapter 7:シャーロック・ホームズの寝室 -『72』:ダッチェス ドレッシング テーブル) とは判別できます。やや背が高いチェストの上に、鏡が置かれていると判断するのが妥当でしょう。2階の間取りと家具は判明しているため、ドレッサーの場所は1階か3階に絞れます。ホームズが配管工に変装して外出する際、ドレッサーを離れたワトスンが2階から玄関を覗きます。これにより、1階の可能性が無くなり、ドレッサーは3階にある事が分かります。その後ワトスンは3階に戻ろうとしますが、ホームズの散らかした居間に向かいます。

ワトスンのドレッサー 平面図
図51

そのシーンを平面図にしたのが図51です。ドレッサーに向かうワトスンの右後ろ(赤矢印)から撮影されており、鏡にはネクタイを結ぶワトスン、背後の壁、額縁が映り込んでいます。鏡に映し出された範囲は、赤い半円の辺りです。ホームズの返答が無いことに気付いたワトスンは、青矢印の方向に歩き(カメラを左に避ける)、2歩で背面の壁に到達します。その姿は鏡に映りますが、向かう先は見えません。

結論から言うと、壁と光の射す方向だけでは、3階の何処にあるのか皆目見当がつきません。ドレッサーが接する壁紙の模様と、鏡に反射して映り込む壁紙の模様は同じですが、この模様を他の場所で見たことがありません。1〜3階の廊下の壁紙は統一されており、この模様とは異なります。とすると、ワトスンの寝室でもバスルームでもない、第3の部屋にドレッサーがあると予想できます。

ワトスンの寝室の死角
図52

湯気の演出か、バスルームの壁紙を正確に確認できないのが残念です。今回、ドレッサーの場所の特定には至りませんでしたが、いくつかの案を紹介します。まず思い付くのがワトスンの寝室で、ホームズの寝室にドレッサーがあるため、そう考えるのは自然です。ワトスンの寝室の間取りで不明な部分は、図52の赤い部分です。この場合、寝室の壁紙が『修道院屋敷』の後に変更されたと仮定する必要があります。

『寝室A』でドレッサーを置ける空間を考えると、図53の『壁D』側になります。左から光が射しているのを劇中で確認できるため、寝室で条件が一致するのはここだけです。しかし、ドレッサーの鏡に窓が映る可能性があり、それを避けられたとしても、『壁B』に掛けられた鏡が映り込む可能性があります。『壁B』の鏡を確認できるのは『まだらの紐』だけなので、空白の3年間に外されていたと考えることもできます。階段に近い『寝室B』の場合でも、ドレッサーを置けるのは『壁D』の窓際だけです(図54)。

ホームズの寝室A ドレッサー ホームズの寝室B ドレッサー
図53 図54

ホームズの寝室にドレッサーがあるので、ワトスンの寝室にもドレッサーがあるのでしょうか?ホームズの寝室の壁には、沢山の顔が描かれた絵が飾られています。それは、髭のデザインを確認するもので、変装時の参考にしていたと思われます。お洒落の見本として販売されていた絵、あるいは雑誌から抜き取った紙かも知れません。そう考えると、ホームズの寝室に Duchess Dressing Table(Chapter 7:シャーロック・ホームズの寝室 -『72』:ダッチェス ドレッシング テーブル) があっても納得できますが、変装する必要がないワトスンの寝室にドレッサーがあると考えなくても良さそうです。

『浴室b』を出て左にドレッサー案
図55

寝室以外にドレッサーがあるとすれば、共有スペースかも知れません。例えば『浴室b』を参考にした場合、光の射す方向と鏡に映る壁を考慮すると、図55の浴室を出た廊下があります。赤い矢印はカメラが撮影する方向で、鏡に映り込む壁は赤い半円の辺りではないでしょうか? ワトスンは振り向き、カメラを左に避けて歩き出します。ちなみに、バスルームのシーンで閉ざされていたと仮定した『窓A』のカーテンが、このときは開けられていたと考えるならば、バスルームにドレッサーがあると考えられなくもありません。

バスルームの隣に小部屋案
図56

ワトスンが向かった先にドアがあったと仮定すると、浴室の隣に脱衣所のような個室が作れます(図56)。この第3の部屋だけが、ドレッサーのシーンで確認できる壁紙だったのかも知れません。もちろん、『浴室b』も想像であり、建物の構造上、窓から射し込む光をフロアの中心に取り込むため、ここを壁で塞ぐかは疑問です(2階の間取りがどうしても頭から離れません)。光を取り込むことを考えると、『浴室b』の『壁C』にもう一つドアがあるかも知れません(ドレッサーの話から逸れますが・・・)。ただし、バスルームのドアの先に見えた縦線が何なのか、未だ説明できません。

『浴室c』 階段付近にドレッサー案
図57

『浴室c』の場合、階段付近にドレッサーがあると仮定すると、ホームズの返答がなく、ワトスンが階段を下りて行く方向と一致します(図57)。2階で配管工に変装するホームズと会話していたと仮定すると、階段付近にドレッサーがあると考えたくなります(なるべく声が通るルートを探す)。しかし『第二の血痕(The Second Stain)』で2階から1階のホームズを呼び止めるとき(ルーカスの所へか?)、ワトスンは大きな声で叫びます。それは、ホームズを必死で呼び止めようとする演技かも知れませんが、3階と2階で会話をするにしては、ドレッサーの前のワトスンの声は小さすぎます。

階段を上ったところにドレッサー案
図58

ワトスンの声は、まるで同室にいるホームズ、あるいは、ドアを開けた先にいるホームズと会話をする音量です。であるならば、ホームズは3階に居たのかも知れません(風呂に入っていたのか?)。そして、ホームズが3階に居たのであれば、階段付近にドレッサーがあり、そこにワトスンが居る設定に無理が生じます(図58)。なぜならば、ホームズが2階へ行くとき、そこを通るからです。ワトスンといえども、後ろを通ったホームズに気付かないとは思えません。「Boobus Britannicus(おバカさんなブリタンニクス *78)」なら有り得るか?

以上のことから、現時点で結論するのは早計と判断しました。バスルームが3階にあったとしても、ワトスンの寝室の他に部屋が存在する空間はあります。壁紙から判断すると、あのドレッサーは第3の部屋にあると考えるのが妥当です。そこから浴室のホームズに話しかけていたのかも知れません。『修道院屋敷』と『犯人は二人』の間に、ワトスンの寝室の壁紙が変更されたと仮定するならば、再びワトスンの寝室に話が戻ります(図59)。

ドレッサーから離れたワトスンの足取り
図59

ワトスンが『寝室A』のドレッサーの前にいると仮定します。『浴室c』で何かをしているホームズに話しかけています。ホームズは用事を済ませて階段を下ります(図59の@)。返事が無いホームズに気付き、ワトスンが寝室のドアに向かいます(図59のA→B)。この場合、反対側の壁に掛けられた鏡は、取り外されていることとします。しかし、この仮説は、居間にある変装の形跡を説明できません。2階で変装していたと考える方が自然です。2階で変装を済ませてから、3階の浴室に行き、ワトスンに話しかけられ(ワトスンに変装を見られていない状況)、会話が成立していたのかも知れません。その後、ホームズは3階から1階へ直行したと考えれば(劇中のシーンはここから)、ワトスンの小さい声と散らかった居間に説明が付きます。


Z.終わりに・・・

ホームズの寝室の真上が、広さ、窓の数、共にワトスンの寝室とバスルームに都合が良いことが分かりました。情報が少なくドレッサーの場所が分からないのはともかく、バスルームのドアの外に見える縦線を断定できないのが悔しいです。壁の亀裂、角、2枚の壁の遠近によるもの、間仕切りカーテンが中途半端に開いた状態・・・などを考えましたが、固定観念が邪魔してそれ以外の物を想像できません。いつの日か、ふいに新しい解釈を思いつくかも知れません。今回調べた限りでは、ワトスンの寝室の間取りを確認できましたが、3階の何処にあるのかを断定できませんでした。画面を見て知り得ない部分は、仮説を立て想像を膨らませましたが、Excelで図を作成すると無理が生じて、再び仮説を立て直す・・・堂々巡りの20日間でした。


221B 1階の間取り
図60

しかし『犯人は二人』を繰り返し確認することで、1階の間取りと、1階と2階の階段の段数が分かりました。『ボヘミアの醜聞』ではホールスタンドに閉ざされた221Aのドアが、『犯人は二人』では開けられていました(図60)。『未婚の貴族』では、霧に包まれたベイカー街に2人を乗せた馬車が到着する前、ベイカー街から221Aの窓にハドスン夫人を確認できます(窓際にはオイルランプが置かれている)。また、廊下の家具の配置が変更され、アーチ状の壁や、間仕切りカーテンが追加されていました(図60では省略)。221Aのドアが塞がれていた物語があるので、もう一つのドアが階段手前の廊下にあると思われます(セットとして作られていないと思いますが)。

221B 1階 階段の高さの矛盾
図61

1階の階段は12段で、高さが2階の床に足りない矛盾を見つけました(図61)。役者の演技でカバーする気配がないことから、原作と同じ折り返す階段を模したのかも知れません。しかしながら、2階の廊下の突き当りに、階段らしき段差を確認できません(折り返しは有り得ない)。この矛盾は『Chapter 8:廊下と階段』の『83』:Stair(階段)でも取り上げます(来年になるかも)。なお、2階の階段は13段で、2階から3階の床を確認できません。興味がある方は、『犯人は二人』でレストレイド警部が手紙を奪還しに来て、「大佐の部屋から盗まれて・・」と言った警部の背景を確認してください。


Granada Television Sherlock Holmes 221B SET

図 6

Chapter お探しの物がある場所をクリックして下さい。

ベイカー街 221B の間取り

ベイカー街 221B の間取り TOP

グラナダTV制作の『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ。マンチェスターのグラナダスタジオの倉庫に造られた、『221B』の室内セットの間取り、建具、家具、小物などを、Blu-Ray を参考に管理人が調べた名称や用途を列挙します。

221Bの間取り

1.221B 間取り

真上から見た221B の 2 階 と 1 階の図です。2 階には 3 つの空間があり、『廊下と階段』と『ホームズの寝室』、ワトスンとホームズが同居する『居間』に分けられます。今後、建具や家具の説明をするときに、方向が重要になるため、それぞれの壁にアルファベットを、柱と凹凸に平仮名を指定しました。

221B:窓とドアとシャンデリア

2.窓とドアとシャンデリア

シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトスンの共有スペースの居間、ホームズの寝室、廊下にある『1』『2』『3』『4』『5』:シングルハングの上げ下げ窓、『6』『7』『8』『9』:ドア、『10』シャンデリア(三灯)。

221B:VR の弾痕側と窓際

3.VR の弾痕側と窓際

『11』:Cartonnier(カルトニエ)、『12』:Book Slide(スライド式ブックスタンド)、『13』:VACUUM PUMP(真空ポンプ)、『14』:Sideboard(サイドボード)、15』:Tantalus(タンタラス、タンタロス)、『16』:Gasogene(ガソジーン、ガザジーン)、『17』:William IV PORTABLE BOOK STAND & William Shakespeare's works(ウィリアム 4世 ポータブル ブック スタンドとシェイクスピア作品集)、『18』:Cruet(薬味瓶)、『19』:V:R(弾痕)、『20』:Blackboard & Easel(黒板とイーゼル)、『21』:Writing Desk A(ライティングデスク)、『22』:Zograscope(ゾグラスコープ:覗き眼鏡)、『23』:Collectors Chest(コレクション チェスト)、『24』:Stradivarius(ストラディバリウス)、『25』:Dining Table(ダイニング テーブル)、『26』:balloon chair(バルーン チェア)、『27』:MASON'S BLUE MANDALAY(メイソンズ ブルー マンダレイ)、『28』:Sherlock's Writing Desk(シャーロックのライティングデスク)、『29』:Victorian Oil lamp A(ヴィクトリア朝 オイルランプA)、『94』:Picture of Charles George Gordon(チャールズ・ゴードン将軍の絵)、『96』:Perpetual Desk Calendar(万年デスクカレンダー)。

221B:化学実験テーブル側

4.化学実験テーブル側

『30』:Tortoise Bamboo Side Table(亀甲竹サイドテーブル)、『31』:Desk Bell Silver(卓上ベル 銀)、『33』:Victorian Oil lamp B(ヴィクトリア朝 オイルランプB)、『33』:Wall Barometer(A:壁掛け気圧計)とWall Clock(B:壁掛け振り子時計)、『34』:Dining Table(ダイニングテーブル:実験用テーブル)、『35』:William IV dining chairs(ウィリアム4世 ダイニング チェア)、『36』:Book Case A(ブックケース:本棚)、『37』:Nest of Tables A(ネスト テーブル)、『38』:Antique laboratory Portable(持ち運び実験室)、『39』:Book Case B(ブックケース:本棚)。

221B:暖炉側

5.暖炉側

『40』:Writing Desk B(ライティング デスク)、『41』:Laboratory Scale(実験用の天秤)、『42』:Microscope & Case(顕微鏡とケース)、『43』:Microscope Slide Cabinet(顕微鏡 スライドガラス・キャビネット)、『44』: Victoria standing oil lamp(ヴィクトリア朝 オイル ランプ スタンド)、『45』:Mahogany Book Case C(マホガニー ブックケース:本棚)、『46』:Graphoscope(グラフォスコープ)、『47』:Nest of Tables B(ネスト テーブル)、『48』:Victorian Mantelpiece & Fireplace(暖炉)、『49』:Wall Sconce(壁面照明)、『50』:THE REICHENBACH (CANTON BERN) by WILLIAM BARTLETT, 1836、『51』:Bureau Bookcase(ビューロー ブックケース)、『52』:William and Mary Armchair(ウイリアム & マリー 肘掛け椅子)、『53』『54』『55』:Cane sofa & Cane Chairs(籐ソファと籐椅子)、『56』:Nest of Tables C(ネスト テーブル)、『57』:Nest of Tables D(ネスト テーブル)、『58』:Director Office Chair(ディレクター オフィス チェア)。

221B:マントルピース周り

6.マントルピース周り

『59』:Victorian Canterbury(ヴィクトリアン カンタベリー)、『60』:Bell-Pull(呼び鈴)、『61』:Persian Slipper(ペルシャ スリッパ)、『62』:Calabash Pipe(キャラバシュ・パイプ)、『63』:Pipe Stand(パイプ スタンド) ホームズ用、『64』:Tripod Censer(三脚香炉)、『65』:Bills & Jack-knife(請求書とジャックナイフ)、『66』:LETTER STAND(レタースタンド)、『67』:Cast Iron Vanity Table Mirror(鋳鉄 卓上化粧鏡)、『68』:Pipe Stand(パイプ スタンド) ワトスン用、『69』:Fireplace Tool Set(ファイヤーツール セット)、『70』:Brass Fireplace Screen(真鍮製 ファイヤースクリーン)、『93』:Jamadhar(ジャマダハル)。

221B:シャーロック・ホームズの寝室

7.シャーロック・ホームズの寝室

『71』:Sherlock's Bed(シャーロックのベッド)、『72』:Duchess Dressing Table(ダッチェス ドレッシング テーブル)、『73』:Wig Stand(ウィッグ スタンド)、『74』:Candlestick(燭台)、『75』:Wardrobe(ワードローブ:洋服ダンス)、『76』:Brass Shaving Stand(真鍮製 髭剃りスタンド)、『77』:Wash Stand(洗面台)、『78』:Jug and Bowl(水入れと器)、『78』:Jug and Bowl(水入れと器)、『80』:不明、『81』:Scottish Chest(スコテッシュ チェスト)、『82』:Yacht Model:(帆船模型)。

221B:廊下と階段

8.廊下と階段

『83』:Stair(階段)、『84』:Bent Wood Coat Hanger(ベント ウッド コート ハンガー)、『85』:不明、『86』:Mahogany Torchere(マホガニー トルシェール)、『87』:Sherlock’s Aspidistra(シャーロック・ホームズの鉢植え:ハラン)。

221B:その他

9.その他

特定の物語にしか登場しない物、現時点では不明な物を掲載します。『88』:フォン・ヘルデル(ヘルダー)作の空気銃 - 空き家の怪事件、『89』:卓上鏡 - 四人の署名、『90』:самовар(サモワール)- 犯人は二人、『91』:Gramophone(蓄音機)- 第 5 シーズン)、『92』:Smoking Monkey Automaton Music Box(猿のからくり人形) - 這う人、『95』:Fez(フェズ:トルコ帽)- 空き家の怪事件、『97』:Vampire fangs(吸血鬼の牙)- サセックスの吸血鬼。


戻る 一覧表示 次へ

註釈

*56:河出書房新社『図説 英国インテリアの歴史』コラム12 「美しすぎる! お風呂&キッチンの謎」を参考 。

図説 英国インテリアの歴史: 魅惑のヴィクトリアン・ハウス (ふくろうの本)


*74:参考資料:シャーロック・ホームズ完全解読 (別冊宝島 1965 カルチャー&スポーツ)

*75:類似品:素晴らしい彫刻のホールスタンド、引き出しのグリーンマンもポイント!英国骨董品 1900年頃:アンティークフレックス


*76:参考資料:ルパン三世first TVシリーズ。Disc.1 第2話『魔術師と呼ばれた男』で、峰不二子が残した3枚のフィルムを重ねて映写することで、超硬質液体製法の化学式を表示させる物語を参考にしました。 ルパン三世 first- TV. BD-BOX [Blu-ray]


*77:参考資料:Showers – 19th century luxury and health → Showers in 1800s, early 1900s, canopy, needle, and other types — Home Things Past


*78:Boobus Britannicus(おバカさんなブリタンニクス):ナイジェル・ブルース - ウィキペディア


[ページ数: 10 / 10] 戻る TOP 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10



ホームズの冒険 Bly-Ray

“シャーロック・ホームズ”が活躍する、アーサー・コナン・ドイル原作による名作探偵TVドラマの BOX。腕利きの名探偵、シャーロック・ホームズとその相棒、ジョン・H・ワトスン博士の華麗な推理劇を描く。全 41 話を収録。12 枚組。特製ブックレット封入。


ベイカー街の地図

グラナダTV版ホームズの冒険テレビシリーズに登場する『BAKER STREET』のセットは、1890 年代を想定してマンチェスターのキャッスルフィールドに建設されました。郵便局、家具店、果物屋、ワイン店、仕立屋、本屋、宝石店、床屋、不動産屋、葬儀屋などが作られ、突き当たりのリージェント・パークは、立地的に高い建物が映り込むのを防ぐ苦肉の策です。最初のラフスケッチからセット完成まで、1982 年の 1 月から 5 月とあります。いくつかのセットは屋内も作られており、221B、床屋、本屋、家具屋、煙草屋は、室内での撮影もあります。

ベイカーストリートの地図:グラナダTV『シャーロック・ホームズの冒険

書類棚 Cartonnier

グラナダTV版ホームズの冒険テレビシリーズで、221Bの窓際に置かれた書類棚 Cartonnier(カルトニエ)。劇中では地図や新聞の切り抜きなどの書類、ジェームズ・モリアーティ、セバスチャン・モラン、アイリーン・アドラーなどの重要人物を記した目録、伝記要覧を保管しています。なお、リチャード・ロクスバーグ主演の『シャーロック・ホームズ バスカヴィルの獣犬』にも、この書類棚に似た家具を確認できます。

グラナダTV版『シャーロック・ホームズの冒険』221B のセットにあった書類棚

ブルーレイBOX

グラナダ版シャーロック・ホームズの冒険 ブルーレイBOX。定評のある日本語吹き替えを得るには、ハピネット社が販売する DVD(非デジタルリマスター)を、映像の品質を追究するならキープ社の DVD(デジタルリマスター)を購入するしか無かった歯痒い状態を、ブルーレイ版が解決してくれます。管理人も購入したので、中身が見たい場合はここをクリックして下さい。

シャーロック・ホームズの冒険 ブルーレイBOX

呼び鈴(Bell-Pull)

グラナダTV版ホームズの冒険テレビシリーズで、221Bの暖炉側の壁にあるハンドル式の呼び鈴(Bell-Pull)。『高名の依頼人』でホームズがハンドルを操作して、ハドスン夫人を 2 階に呼ぶシーンがあります。41 話も製作されたグラナダTVシリーズで、221B の呼び鈴を使うのは『高名の依頼人』だけなのか?

グラナダTV版『シャーロック・ホームズの冒険』221B のセットにあった221B の呼び鈴(Bell-Pull)

シャーロック・クロニクル

BBC ドラマ『SHERLOCK / シャーロック』公式ガイドブックです。シーズン 1 ~ 3、そして 4 の最新情報まで、キャスト・スタッフたちの 初出し制作秘話をオフショット満載のフルカラーでお届けします!


Minecraftでベイカー街

Minecraft(マインクラフト)はスウェーデンのストックホルムで誕生した、決まった目的が存在せずプレイヤーが自由に行動できるゲームです。このゲーム内で、グラナダ・テレビのシャーロック・ホームズの冒険に登場するベイカーストリートのセットを再現してみました。プレイヤーのサイズで作ったので、ベイカー街を自由に歩け、建物に入ることも可能です。

グラナダTV版『シャーロック・ホームズの冒険』221B のセットにあった221B の呼び鈴(Bell-Pull)

ホームズの冒険 DVD

グラナダTV制作 シャーロック・ホームズの冒険 [完全版] DVDセット。NHK で放送された日本語吹替に、カット部分を再録音(声優は異なる)して追加した完全版です。6 セットに分割されており、購入しやすいお値段ですが、画質を重視するなら Blu-Ray 版をお薦めします。


シャーロック・ホームズ

著書:小林 司、東山 あかね。出版社: 河出書房新社。143 ページ。1997 年初版、2005 年増補改訂版を経て、改訂新版。日本を代表するシャーロッキアンが丹精込めて執筆編集したホームズ入門書の決定版。秘蔵コレクションをはじめ貴重なデータや情報が満載の究極の名著。


シャーロック・ホームズと見る ヴィクトリア朝 英国の食卓と生活

著書:関矢 悦子。『第 37 回日本シャーロック・ホームズ大賞』受賞。目玉焼きじゃないハムエッグから「いのちの水」ブランデー、そして面倒な結婚手続きや教育、遺産相続まで。ヴィクトリア時代の市民生活をシャーロック・ホームズとともにとことん調べてみたら、予想以上におもしろかった! 221B のサイドテーブルにある『Tantalus(タンタラス、タンタロス)』や炭酸水製造器『Gasogene(ガソジーン、ガザジーン)』などの情報も掲載。


ヴィクトリア朝百貨事典

ヴィクトリアンたちは日々何を食べ、何を身につけどんなものに囲まれて暮らしていたのか。英国ヴィクトリア朝という大量消費の時代を彩った「もの」のプロフィール。 ステレオスコープも掲載されています。


シャーロック・ホームズの世紀末

夜霧の世紀末ロンドンに名探偵ホームズが目撃したものは―猟奇殺人、植民地戦争、女権拡張と労働争議、美女の噂とボクシング、あるいは優生学、進化論、そして神秘思想など、多種多様な思惑がうごめく大英帝国の素顔だった。時代の波に翻弄されるホームズの航跡を辿り、今日の消費社会を先取りした大英帝国の虚実をリアルに抉る画期的世紀末文化論。芸術選奨新人賞受賞、日本シャーロック・ホームズ大賞受賞。


シャーロック・ホームズ プレミアムDVD-BOX

世界で大ヒットした日本未公開のベイジル・ラズボーン版シャーロック・ホームズシリーズ。彼のホームズ物語は全14話あり、その中の9作品をデジタルリマスター版で発売するシャーロック・ホームズファン待望のDVD-BOX!「バスカヴィル家の犬」「シャーロック・ホームズの冒険」「シャーロック・ホームズと恐怖の声」「ワシントンのシャーロック・ホームズ」「シャーロック・ホームズ危機一髪」「蜘蛛女」「緋色の爪」「恐怖の館」「アルジェへの追跡」を収録。


シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち1

ホームズ・パスティーシュの新しい冒険! 『千夜一夜物語』の翻訳でおなじみのリチャード・バートン卿、ゴシック小説の有名な怪物…さまざまな実在の人物、架空のキャラクターとの遭遇が描かれるホームズ物語の最新コレクション。


シャーロック・ホームズとヴィクトリア朝の怪人たち2

ホームズ・パスティーシュの新しい冒険! パスティーシュの新機軸、その後編。


シャーロックホームズベア 2010

2010年のゴールデン テディ アワード受賞した名作。グリーンハーマン社 名探偵シャーロック・ホームズの限定テディベアです。


ブックビューロー

ストレッチャーや後足にも使われたツイストが素敵!ブックビューローは、グラナダ版ホームズ、221Bの窓際に置かれ、主にワトスンが執筆に使っていました。国:イギリス、年代:1920年頃、材質:オーク。


シャワー水栓付き
猫足バスタブ

高級ホテル、旅館等でも使用しておりますバスタブをご提供致します。バリエーションも豊富で、お客様理想のバス空間を演出致します。


シャーロック・ホームズ
原作 60篇を読もう!

アーサー・コナン ドイル(著)の原作、シャーロック・ホームズシリーズ。オックスフォード大学版の注・解説にくわえ、初版本イラスト全点を復刻掲載した決定版。


緋色の習作

四つのサイン

シャーロック・ホームズ
の冒険

シャーロック・ホームズ
の思い出

バスカヴィル家の犬

シャーロック・ホームズ
の帰還

恐怖の谷

最後の挨拶

シャーロック・ホームズ
の事件簿


シャーロック・ホームズ
ガス燈に浮かぶその生涯

この世に実在しなかった、小説の主人公『シャーロック・ホームズ』の伝記が読めるのは不思議です。シドニー・パジェット(Sidney Edward Paget:シドニー・エドワード・パジェット)の挿絵と共に、約 410 ページの膨大な資料をお楽しみ下さい。Sherlock Holmes of Baker Street, A Life of the World's First Consulting Detective.


シャーロック・ホームズ
絹の家

ホームズが捜査を手伝わせたベイカー街別働隊の少年が惨殺された。手がかりは、手首に巻き付けられた絹のリボンと「絹の家」という言葉。ワトソンが残した新たなホームズの活躍と、戦慄の事件の真相とは?


モリアーティ

アンソニー・ホロヴィッツ (著)『絹の家』に続く、コナン・ドイル財団公認のパスティーシュ。