シャーロック・ホームズ

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シャーロック・ホームズの冒険
完全版 Vol.4 [DVD]
 ギリシャ語通訳
 ノーウッドの建築業者



英国グラナダTV製作 テレビシリーズ
第9話 ギリシャ語通訳
洋題:The Greek Interpreter
第10話 ノーウッドの建設業者(ノーウッドの建築師)
洋題:The Norwood Builder


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第9話

邦題:ギリシャ語通訳
洋題:The Greek Interpreter

DVD収録邦題:シャーロックホームズの冒険
DVD収録洋題:THE ADVENTURES OF SHERLOCK HOLMES
テレビシリーズ:2
放送/英国:1985年9月1日
書籍収録邦題:シャーロックホームズの思い出(回想)
書籍収録洋題:THE MEMORIES OF SHERLOCK HOLMES



キャスト
Sherlock Holme:Jeremy Brett
シャーロック・ホームズ(探偵):ジェレミー・ブレット
Doctor Watson:David Burke
ドクター・ワトソン(相棒):デビット・バーク
Mycroft Holmes:Charles Gray
マイクロフト・ホームズ(ホームズの兄):チャールズ・グレイ

Mr Melas:Alkis Kritikos
メラス(ギリシア通訳者):アルキス・クリティコス
Wilson Kemp:George Gostigan
ウィルスン・ケンプ(通訳を依頼する人):ジョージ・コスティンガン
Harold Latimer:Nick Field
ハロルド・ラティマー(ソフィの婚約者):ニック・フィールド
Paul Kratides:Anton Alexander
ポール・クラティディス(ソフィの兄):アントン・アレクサンダー
Sophy Kratides:Victoria Harwood
ソフィ・クラティディス:ビクトリア・ハーウッド

Mrs Stern:Rita Howard
スータン夫人(メラスの家の管理人)リタ・ハワード
Ticket Inspector:Peter Mackriel
車掌:ピーター・マクリエル
Waiter:Henry Roberts
ウエイター(クラブ):ヘンリー・ロバーツ

Inspector Gregson:Oliva Maguire
グレグソン警部:オリバー・マガイア

Stunts:Jim Dowdall
スタント:ジム・ダウドール


Writing:Arthur Conan Doyle
原作:サー・アーサー・コナン・ドイル
Dramatised:Derek Marlowe
脚色:デレク・マーロー
Developed for Television:John Hawkesworth
テレビ版構成:ジョン・ホークスワーズ
Producer:Michael Cox
制作:マイケル・コックス
Music:Patrick Gowers
音楽:パトリック・ゴワーズ
Directed:Alan Grint
監督:アラン・グリント



ギリシャ通訳を仕事にするメラス氏からの不思議な事件の依頼。 シャーロック・ホームズの兄、マイクロフトが登場する物語で、社交嫌いが集うディオゲネス・クラブも登場します。 メラスが囚われたギリシャ人から情報を聞きだす行動がお見事。 法の手続きに足止めされながらも、汽車に乗り込んでから犯人を絞り込むあたりは、ホームズの推理がフルに発揮されるシーンです。

兄のマイクロフト・ホームズは、シドニー・バジェットで描かれた姿とは異なりますが、身柄を拘束されたソフィの兄のポールは、バジェットが描いたシーンと酷似しています。



冒頭のワトソンの語りで2階建て馬車(オムニバス)を見れます。 この物語で使用されたベイカー街やホームズのシーンは、後にバスカヴィル家の犬で再利用されます。 221Bの冒頭で、ホームズが窓際の書類棚(カルトニエ)から書類を手当たり次第取り出して巻き散らかすシーンがあります。 ハドスン夫人にも申し訳ありませんが、ホームズが散らかすシーンは個人的に好きです(『赤髪連盟』もおすすめ!)。 ディオゲネス・クラブで壁一面に設置された本棚には、革装丁の本で埋め尽くされ、飛び出し防止のブックガードが施されています。

『11』:Cartonnier(カルトニエ)


ベイカー街 情報
1.『132』あるいは『134』からリージェンツ・パーク方面を映し、二頭立て四輪の二階建て馬車が通ります。このカメラのアングルだと、『221B』、民家『225』、床屋『229』の煙突が見えます。画面右上には『Havana Cigars SOLD HERE』の吊り下げタイプの看板(*37)が見えるものの、何処の店を指しているのか不明です(この時点では)。ワイン店『130.FOREIGN WINES & SPIRIT STORES』の前で、ワインの樽を荷台から降ろしているシーンや、店先に並べられたワインが見えます。本屋『219』の向いの家具屋『217』の歩道から、ワイン店『130』を眺めるシーンでは、二階建て馬車の広告『NESTLE'S MILK(*15)』と『HUDSON'S SOAP(*16)』が見えます。その後、ワイン店『130』の店内から、『221B』のドア付近で立ち話をする少年達を映しています。なお、この映像は、『バスカビル家の犬』でも使われています。
2.『Diogenes CLUB(ディオゲネス・クラブ *17)』から戻ったホームズとワトスンのシーンで、本屋『219.W.H.DAWE』の向いが家具屋『217.FURNITURE REPAIRS』である事が分かります(このときは、それが店の名前だと勘違いしている)。樽を積んだ馬車には『COAL W.MASSEY』とあるので、石炭を販売しているか運んでいると思われます(Massey Energyと関係あるのか?)。その隣が郵便局」か「電報局」で、壁には赤いポストが埋め込まれている。子供たちがポストに投函して、ホームズは電報を送るために電報局の中に入ります。『電報局』の根拠は、『221B』に戻るとクラブで別れたマイクロソフトがおり、ホームズが「いつここに?」と問うと、マイクロフトが「お前が電報局にいる間だ」と答えます(家具屋の隣りに立ち寄っている間)。
3.ディオゲネス・クラブでマイクロフトが「メラス君は私の一階上の住人だ」と言っています。メラスが連れて行かれる馬車を映すのは、筆記体が描かれたガラス越し(*32)、つまり、床屋『229』の屋内から撮影されています。メラスが住んでいる場所は、ベイカーストリートの『221B』の向かいの民家『126』です(撮影の都合)。民家『126』は、『空き家の怪事件』で、セバスチャン・モランがホームズの人形を狙撃する建物『Camden House 』としても使われています。メラスはマイクロソフトと同じ建物に住んでいることから、『221B』の向かいに兄が住んでいるとも想像できます。もちろん、撮影の都合で民家『126』が使われただけで、物語としては間違った解釈です。ディオゲネス・クラブでのメラスの回想シーンでは、ご丁寧にハウスナンバーが『33?』が見えます。このために、一時的に変更したと予想します。


DVDのタイトルでは(冒頭シーン)、THE ADVENTURES OF SHERLOCK HOLMES(シャーロックホームズの冒険)と表示されますが、小説では、モリアーティ教授との決闘 前の「Memories of Sherlock Holmes シャーロックホームズの思い出(回想)」に収録されています。


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第10話

邦題:ノーウッドの建築師(ノーウッドの建設業者)
洋題:The Norwood Builder

DVD収録邦題:シャーロックホームズの冒険
DVD収録洋題:THE ADVENTURES OF SHERLOCK HOLMES
テレビシリーズ:2
放送/英国:1985年9月8日
書籍収録邦題:シャーロックホームズの生還(帰還)
書籍収録洋題:THE RETURN OF SHERLOCK HOLMES



キャスト
Sherlock Holme:Jeremy Brett
シャーロック・ホームズ(探偵):ジェレミー・ブレット
Doctor Watson:David Burke
ドクター・ワトソン(相棒):デビット・バーク
Mrs Hudson:Rosalie Willians
ミセスハドソン(221Bの管理人):ロザリー・ウイリアムズ

Jonans Oldacre:Jonathan Adams
ジョナス・オールデーカー(元ノーウッドの建築技師):ジョナサン・アダムズ
Mrs Lexington:Rosalie Crutchley
レキシントン夫人(オールデーカーの使用人):ロザリー・クラッチリー
John Hecter McFarlane:Matthew Solon
ジョン・ヘクター・マクファーレン(弁護士):マシュー・ソロン
Mrs McFarlane:Helen Ryan
マクファーレン夫人(ジョンの母):ヘレン・ライアン

Constable:Andy Rashleigh
地元の警官:アンディー・ラシリー
Tramp:Anthony Langdon
浮浪者:アンソニー・ラングドン
Seafaring Tramp:Ted Carroll
船乗りの浮浪者:テッド・キャロル

Inspector Lestrade:Colin Jeavons
レストレード警部:コリン・ジェボンズ


Writing:Arthur Conan Doyle
原作:サー・アーサー・コナン・ドイル
Dramatised:Richard Harris
脚色:リチャード・ハリス
Developed for Television:John Hawkesworth
テレビ版構成:ジョン・ホークスワーズ
Producer:Michael Cox
制作:マイケル・コックス
Music:Patrick Gowers
音楽:パトリック・ゴワーズ
Directed:Ken Grieve
監督:ケン・グリーブ



弁護士ジョン・へクター・マクファーレン(Matthew Solon)がジョウナス・オルデイカー殺人の容疑にかけられ、221Bのシャーロック・ホームズに助けを求めに来た。 初登場のレストレイド警部(Colin Jeavons)が、本ドラマシリーズにおいて彼のイメージを決定付ける物語となります。 建築技師ならではの巧みなトリックが面白い。この事件ではホームズとワトスンが共に能力を発揮します。 軽く流されてしまいますが、ワトソンの調べた内容が事件の大事な部分を解明します。 藁を燃やして「火事だ! (ファイヤー)」と叫ぶシーンが印象的。 「なさけない声だな、もっと大きな声で叫べ」とホームズが警官に指示します。 ホームズの行動を疑問視するレストレイド警部も面白い。



この事件の犯人は用意周到で犯行動機を知るのが難しいものの、財産分与の関係からワトソンでも調べられる明解な部分もあります。 被害者や加害者、犯行過程をつまびらかにするのはホームズの推理と捜査ですが、それを立証するのはワトソンが調べたお金の流れで、本当の意味で二人三脚による事件解決だと思います。



事件のヒントは、ジョナス・オールデーカーが元ノーウッドの建築技師であること。 ホームズに決定的なヒントを与えてしまう流れは、犯人が偽装した証拠を追加して墓穴を掘るところ。 ホームズのトレードマークでもあるルーペが役に立ちます。 この物語ではホームズの変装も見られますが、その時点ですでに事件は解決していると思われます。 しかし、ワトソンが朝食で落胆した姿のホームズを気遣うシーンもあります。 落胆しているのではなく、頭の中を整理しているのかも知れません。 例え、偽装された証拠が発見されなくても、変装捜査で得た情報を元に、家を捜索する事は間違いありません。 奇想天外な物語の結末は、「もうひとつの顔(唇のねじれた男)」のようにハッピーエンドではありません。 この事件で命を落とした人がいるのですから。

罠にかかった弁護士ジョン・ヘクター・マクファーレンの母を演じたヘレン・ライアン(Helen Ryan)は、『マザランの宝石』で王妃ウェールズ役として再登場します。



ベイカー街 情報
1.冒頭、火事のシーンが終わった後、本屋『219』の前で工事しています。本屋の看板が『W.H.DAWE』であることが分かります。ワトスンが買い物をしているのはワイン店の二軒隣で、何のお店か分かりません(*18)。当然、『221B』に戻るには、ベイカーストリートを横断する必要があります。ワイン店『130.FOREIGN WINES & SPIRIT STORES』の看板もはっきり分かります。
2.レストレイド警部が『221B』に到着、本屋『219』の向いの家具屋『217』の隣に『POST OFFICE』の看板(赤地に白文字)を確認できます(*19)。
3.マクファースンが連行されるとき、ホームズ越し&窓越しに連行されるマクファースンが見られます(あそこから撮影していると思われます *5)。また、その反対に外から窓の内側のホームズを見られるシーンもあります。馬車が走り出すと、ワイン店の看板『FOREIGN WINES & SPIRIT ST』までを読み取れます。
4.ブラックヒースに向かうため、ベイカーストリートに飛び出すホームズとワトスン。工事中の本屋『219』の二階の足場から、ベイカーストリートを俯瞰します。ワイン店『130』の前で場所に乗り込み、リージェンツ・パークの方へ移動します。
5.焼き芋シーンの後、銀製品販売店『227』の前から、道路工事の様子を眺められます。


DVDのタイトルでは(冒頭シーン)、THE ADVENTURES OF SHERLOCK HOLMES(シャーロックホームズの冒険)と表示されますが、小説では、モリアーティ教授と決闘後の「Return of Sherlock Holmes シャーロックホームズの生還(帰還)」に収録されています。 ただし、古い書籍ではページの都合で「シャーロック・ホームズの叡智」と呼ばれる、コナン・ドイル版には存在しない独立した単行本に移動されていました。




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註釈

*4:1998 年 9 月 1 日に発売された『求龍堂 NHKテレビ版 シャーロック・ホームズの冒険』の 123 ページ。

*5:この日記を掲載したとき、ベイカーストリートにある 221 の建物は、内装まで作り込まれていると考えていました(ロマンチストでしょ?)。今では、スチールパイプの骨組みで、ベイカーストリートに面した部分(外壁、窓、ドア)だけが作られていたと分かっています。床屋、ワイン店、本屋、煙草屋、家具屋、221Bの一階は、内装も作られています。俳優が二階の窓からベイカーストリートを見下ろすシーンや、見下ろしている俳優を外から仰角で撮影するシーンは、スチールパイプの骨組みに支えられた二階の細い床に、俳優を立たせて撮影していると思われます。セットのすぐ後ろには、倉庫らしき建物が存在しています。

*15:『ギリシャ語通訳』に映る馬車に『NESTLE'S MILK(ネスレ ミルク)The Richest in Cream』とスイスの国旗が描かれた看板が見えます。これは、日本でも有名な『ネスレ』の広告でしょう。1866 年にスイスで創業、1913 年にネスレ・アングロ・スイス煉乳会社が英国ロンドンの極東輸出部の管轄で、横浜に日本支店を開設。[メーカーホームページ] [ネスレ日本の歩み] [ネスレ S.A.の歩み]。ロンドン交通博物館を観光した方のホームページで、この馬車の写真を閲覧できます [moto-naoko.com/ヴィクトリア時代ほか]。

*16:HUDSON'S SOAP(ハドソン ソープ)。英国の実業家”Robert Spear Hudson(ロバート・スピア・ハドソン)”が大衆向けの石鹸を販売。[wikipedia] [看板の写真を公開しているサイト]

*17:古代ギリシアの哲学者”ディオゲネス”を由来とした『Diogenes CLUB(ディオゲネス・クラブ)』は、社交嫌いの風変わりが集まるクラブで、シャーロック・ホームズの兄のマイクロソフトが創立発起人・会員です。[ディオゲネス (犬儒学派)]

*18:"多摩じい"様が、店内のポスターの文字『“ROSEBE?”とか”CIG・・”』から、『ROSEBERY』という煙草/葉巻の有名ブランドを発見されました。これにより、ワトスンが買い物をしていた店は、煙草屋である事が分かりました 投稿NO:[5829] 。後にハウスナンバー『134』と『Havana Cigars SOLD HERE(ハバナシガー ここで売っています)』の看板を、床屋『229』の前で見つけ、オープニングと書籍の写真から、煙草屋『134.J.TWYDEL』の判明に至ります。なお、同コメントで本屋『219.W.H.DAWE』と道路の工事についても言及されています。

*19:『求龍堂 NHKテレビ版 シャーロック・ホームズの冒険(*4)』の 121 ページの写真『ノーウッドの建築業者で牽引機関車が通り過ぎていくシーン』でも、『POST OFFICE』の看板を確認できます。

*32:床屋『229.C.SIMONS』のガラスに描かれた筆記体は、『六つのナポレオン』で漸く少し読み取ることができました(低画質で確認していたとき)。しかし、「Haird Ta・・・(筆記体)」は間違っています。後に Blu-Ray で確認したところ、『空き家の怪事件』の「1」で説明した、ワトスンが久し振りにベイカーストリートを歩くシーンで読み取れます。「Gent Hairdressing Salon(紳士の美容院「主に英国で用いられる」理髪店)」。『ギリシャ語通訳』の「3」でも説明しましたが、この筆記体の記述で床屋を判断できます。